紅葉の季節です
- 牛渡一帆
- 2018年11月18日
- 読了時間: 2分
更新日:2019年12月19日
こんにちは。 エンバーマーの牛渡です。
紅葉の時期に入り、山々も色づいてもうすっかり秋ですね。
私は高速道路での長距離移動をすることが多いのですが、
今の季節、高速沿いに見える山の色合いがお気に入りです。
さて、紅葉といえば緑の葉が黄色や赤に色づいてゆくものですが、 あの変化の裏には葉っぱ達の木に対する献身的な努力が隠されています。
植物は、根っこから吸い上げる養分や水分の他に葉による光合成によってエネルギーを得ていますが、同時に光による害も受けています。
そのため、葉には光を吸収するためのクロロフィルという緑色の物質と、 光の害から守るためのカロテノイドという黄色の色素が備わっているのですが、 日照量の多い季節はクロロフィル(緑)に隠されてカロテノイド(黄)の色は見えません。
それが冬に近づき日照量が減ってくると、光合成によるエネルギー生産効率が悪くなるため、クロロフィル(緑)が分解されて葉に蓄えられた栄養分と共に幹に回収されていく過程で、葉の色は段々カロテノイド(黄)の色が現れ、さらにこのカロテノイド(黄)も分解され幹に回収される段階になると、今度はカロテノイド(黄)に変わって光の害から守るために、アントシアンという赤色の色素が作られていきます。
こうして本体に養分を回収されながら緑から黄色、赤と姿を変えていった葉っぱ達は、
最後には冬の間に無駄な水分やエネルギーが消費されるのを防ぐため、 枝から切り離されて地面へと舞い落ちていきます。
涙無しには語れないですね。
それはさておき、そんな理由で紅葉の色はほとんどが赤や黄色、
多少残った緑色なのですが、これらの色は奇しくも色彩の世界で言う色相の中の、
赤と緑は反対色、そして黄色はその間の色になっています。
これは、それぞれの色の彩度や明度によってはお互いの色が主張しすぎて 目がチカチカするハレーションという現象をおこしてしまいがちな配色なのですが、 紅葉は華やかではあれど落ち着いてもいますよね。 自然の織りなす調和でイイ感じに彩度や明度が抑えられています。
我々も故人様のメイクをするときはその人の肌の色やご安置される場所、
式場等の光加減を考慮してイイ感じの配色、彩度、明度等を考えています。
色の世界も本当に奥が深いのでまだまだ知らないことはたくさんありますが、
エンバーマーの織りなす色彩の調和も大自然の美しさに近づけるように

頑張っていきたいと思います。
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