ひとりでは出来ないこと
- 2018年9月25日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年3月24日
こんにちは。
昨日は、中秋の名月でしたね。
みなさんは、昨日の夜、空を見上げてみましたか?
私は暑い夏が苦手なので、少し涼しさを感じる今ぐらいの季節が好きですね。
まっ、そんな話はさておき。
私たち エンバーマーの話をしましょう。
時々、「エンバーミングって1人でするの? 」 という質問を受けます。
実際には、故人様と相談しながら処置を進めていくので「故人様と2人」 という
気持ちで行っています。
「故人様らしさ」 というのは、私たちエンバーマーが想像をしたとしても、
ご生前の故人様を知っているご家族や親しい方々に教えていただかないと、
分からないこともあります。
いつもの洋服、いつもの髪型、いつもの口紅。
おうちで洗濯をした洋服についた柔軟剤の香り、愛用されていた香水。
ご家族に教えていただきながら、ご家族と一緒に故人様をいつもの装いに整えていきます。
とある日のメイク直しのとき、こんなことがありました。
メイク直しの時、ご家族が
「いつも真っ赤な口紅をつけていたから、口紅をもっと赤くしてほしい」
「ほんとにいつも真っ赤な口紅をしてたの」 とおっしゃいました。
しかし、私の中の真っ赤と、ご家族の真っ赤が微妙に違い、
「んー、なんて言ったらいいかな」「もっとこんな色ですかね」
というやりとりを何度か繰り返しながら、微妙に色を変えてのメイク直しでした。
何度か口紅をぬりなおしていく中で、「あっ、この色!」 と。
その場にいた皆さんが「そう!この色!」「そうそう、これ!」
と 一斉に声をあげ、式場がにぎやかになり、その場にいた皆さんの顔が明るくなりました。
そして私は、故人様がいつもされていた真っ赤な口紅の色を再現できて、
ほっとしたのを覚えています。
故人様のお身体を保全する処置自体はエンバーマーが行いますが、
ご家族や親しい方々に教えていただきながら、
私たちも一緒に故人様をいつもの装いに近づけることも
エンバーミングだと私は考えています。
故人様とご家族も、いつもと違ってなんだか落ち着かないなー なんてことがないように、
ご家族の時間を落ち着いて過ごしていただくために、
私たちは出来る限りのお手伝いをしています。
それでは、またお会いしましょう。
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