納棺師が語る、GSIのエンバーマーってどんな人?
- 大森明子
- 2022年6月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年3月27日

元納棺師の大森です。
私が在籍している株式会社ジーエスアイは、エンバーミング事業の他に、ご遺族の心のサポートのための事業として、死別に携わる方たちへの人材教育を行っています。
死別という出来事に対して私たちの心や体は様々な反応します。その反応の大きさや、どんな反応があるかは、受け止める人によって違います。人材教育の主軸となるグリーフサポートの学びは、この死別に対する個々の反応を知り、どんな寄り添い方をするかを学びます。
そして、エンバーマーが行うエンバーミングという技術は、血管を通じてお体に薬品を浸透させることで、亡くなった後のお体の変化を気にすることなく過ごせるすごい技術です。その技術自体がすごいのですがさらにジーエスアイのエンバーマーはグリーフサポートの視点をもっています。
エンバーミングの処置は専門の施設で行うので、一般的にエンバーマーがご遺族に直接お会いすることは少ないと思います。
しかし、GSIのエンバーマーはエンバーミングをした後の様子を確認し、お化粧がイメージに合っているかなどを伺うなど、ご遺族とコミュニケーションをとる機会が、他のエンバーマーより多いという事実を、入社して初めて知りました。
先日女性エンバーマーと、「様子見」と言われるエンバーミングをした方の最期のお化粧直しへ同行する機会がありました。普段の彼女は口数が少ないのですが、相手の顔を見るだけで、いろんなことを感じとる人です。私がどんなに元気に話をしていても、「大森さん、今疲れているでしょう」とか言われてしまいます。だからつい、弱音を吐いて何でも話してしまいます。
そんな彼女の車に同乗し葬儀式場へ到着すると、ご自宅でお休みになっていた故人様がお葬儀のために葬儀会場へ移動してきたところでした。
エンバーミングをしたのは若くして亡くなった女性でした。彼女はお母さまとお話しをしながら、最後まで何かできることがないか一緒に考え、可愛いお化粧した顔に合わせるようにヘアーアイロンで髪の毛を巻き化粧直しをました。
髪を整え最後のお化粧直しは30分にも満たない時間でしたが、お母さん、お姉さんが安心したように棺の中のきれいなお顔を眺めています。
帰りの車の中、
「さっき穏やかに話をしていたお姉さん、最初は表情が硬くてすごく警戒していたんです」
と彼女が教えてくれました。
「エンバーミング後のお姿をみて、何度かお化粧直しに伺って一緒にできることを探していくうちに、少しずつお気持ちの整理ができてきたのか、お顔の表情が柔らかくなってきて・・・。最後のお化粧直しで安心したお顔を見れたことがうれしくて」と話していました。
私も納棺師として現場に立つ時、大切な方との突然のお別れで、頭の中がぐちゃぐちゃで整理できていない状態の中、バリアをはって警戒しているご遺族に沢山お会いしました。
だからこそ、ご遺族の表情から警戒心が消えて、自分がお役に立てたと感じた時の嬉しさは私にもよくわかります。
グリーフの状態にあるご遺族にとって、最後のお別れの時間が安心できる場であることの大切さを知っているGSIのエンバーマー。
安心しておうちで過ごすことができるエンバーミングの処置と、グリーフサポートを学んだエンバーマーは最強すぎる!
GSIには個性にあふれた技術力の高いエンバーマーが在籍しています。これからもどんな人がエンバーマーとして働いているのかを紹介していたいと思います。
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